沿岸域生態系多様性実習・森里海連環学実習1~海編~

posted by marikok

少し前の話ですが、3月21~26日に、公開臨海実習の「沿岸域生態系多様性実習」と、全学共通科目の「森里海連環学実習IV」を行いました。
この実習では、沿岸を中心とした様々な水辺の生態系をとにかくたくさん観察して、水を介した生態系のつながりを考えていきます。

と一口にいっても、生態系を理解するってとても大変です。初日は、海岸や淡水生態系の生物多様性、生態系間の生物や物質の移動、海から淡水への生物の適応進化などなど、多岐にわたるトピックについて、朝倉先生の講義で事前学習します。
2日め(3/22)。まずは和歌山県白浜町にある高瀬川の河口にやってきました。3月も下旬になり、暖かい日が増えてきました。河口に自生するハマボウの根本には、ハマガニが元気にハサミを上げて威嚇していました。
それぞれの調査地点では、水質調査(水温・塩分・pH・栄養塩などの測定)を行います。生物の調査も行いますが、ここでは生息地までのアプローチが難しいので水質調査のみ。
その後は海の方に歩いて対の浦という海岸へ。やっと生物の探索ができます!ここは太平洋に面した海岸で、岩礁・転石・砂浜など様々な地形があり、生物の多様性がとても高い場所です。天気の良い大潮の休日には、申し合わせたように実験所の人々が集まる磯です。
この日は、柔らかい緑藻のヒトエグサが岩の上に繁茂しており、滑りやすくなっていました。慎重に歩を進めます。
パっと見ただけではわかりませんが、岩の隙間をよく見ると生き物がぎっしり!転石の下も生き物が潜んでいないか、入念に確認します。
波あたりの強い場所も見てみましょう。今日は風が強いので、あまり外側へは行けなかったのですが、様々な環境を観察できました。
持ち帰った生物は実験室で種を調べます。海藻が繁茂する時期なので、アメフラシの仲間が数種採れていますね。
最後に採集生物を皆で確認しながら、ひとつひとつ解説していきます。
今日は71種の動物を同定できました!
河口編に続く。
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