沿岸域生態系多様性実習・森里海連環学実習2~河口編~

posted by marikok
沿岸域生態系多様性実習・森里海連環学実習~海編~の続きです。
3日目(3/23)。隣町の内之浦の河口にやってきました。対の浦は外海に面した海岸でしたが、ここは田辺湾の奥にあり、波当たりが穏やかで内湾的な環境になっています。マガキやタカノケフサイソガニなど、汽水性の生物がよくみられます。水質に目を向けると、満潮時はほぼ海と同様ですが、干潮時や河川増水時などはかなり淡水の流入があり、変化の大きい場所といえます。
河口から少し上流に行くと、内之浦干潟親水公園があります。ここはヨシの群落に囲まれた干潟があり、干出時には様々な生物が姿を現します。遠目にチゴカニのダンスが見えることも。
しかし、当然彼らは人が近づくと巣穴の中に逃げ込みます。そこで、ヤビーポンプやクラムガンなど、砂泥ごと生物を採集できる器具を使います。
クラムガンで採集できた泥をふるうと、小さなカニやアナジャコ、ゴカイの仲間が採集できます。
干潟実習の風物詩、ナガグツノドロハマリです。愛すべき彼らは、探究心旺盛なのが特徴です。
さらに上流に行くと、汽水性のオゴノリ群落があります。右に見える茶色いエリアはほぼオゴノリに覆われており、川の水が常に流入している場所です。このあたりに来ると、両側回遊性のイシマキガイなどがみられます。
実習室に帰って、出現した生物のリストを書き出しました。対の浦と比較すると門レベルの多様性は低いですが、汽水性の軟体動物や甲殻類が特徴的でした。また、いつもはあまりみられないのですが、降河回遊性の大きなモクズガニが採れました!海と川のつながりを実感するには、わかりやすい生物ですね。
「ぼく、トビハゼのトビー。」という声が聞こえてきそうな今日の一枚。
プランクトン編に続く。
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