今年の神戸賞の決定(第9回神戸賞)!

神戸賞とは、世界的にすぐれた業績をあげた海洋生物学者や水圏生物学者を神戸市立須磨海浜水族園が顕彰するものです。受賞記念講演とサイエンスカフェは、どなたでも参加できます。熱烈参加歓迎!

神戸賞選考委員
亀崎直樹氏(委員長。神戸市立須磨海浜水族園学術研究統括/岡山理科大学地球生物学部教授)
幸田正典氏(大阪市立大学大学院理学研究科教授)
朝倉 彰氏(京都大学瀬戸臨海実験所教授兼所長/付属白浜水族館館長)
幸島司郎氏(京都大学野生動物研究センター教授)
佐藤克文氏(東京大学大気海洋研究所国際沿岸海洋研究センター教授)

概要
本年度の受賞者は、オオヨコクビガメ(Podocnemis expansa)という大型の淡水ガメが親子で鳴きかわしていることを明らかにし、その後、他のカメも鳴いていることを次々と発表したカミラ・フェラーラ博士(ブラジル)です。
そこで、7月に神戸賞授賞式及び記念講演会を開催するにあたり、当園では4月から7月の期間に、カメの研究者を招聘してのサイエンスカフェ開催や、これまで当園で実施してきたカメ研究の成果を皆様に知っていただく企画展を開催いたします。
各企画の詳細につきましては、個別にプレスリリースを予定しております。記念講演会とあわせて関連企画にもご期待ください。


受賞者及び対象研究
オオヨコクビガメというカメを皆さんはご存知でしょうか?アマゾン川の川岸で生活しているカメで、卵を川岸の砂の中に産みます。卵は砂の中でふ化し、このふ化した子ガメたち、砂の中から声を出して母ガメを呼び、声を聞いた母ガメは鳴き返すのだそうです。これまでカメは声を出さないというのが世界の常識でした。その常識を覆したのが、Camila R. Ferrara博士です。

(1)受賞者      Camila R. Ferrara博士
(2)経歴等      2001年にサントアマロ大学(Santo Amaro University  UNISA)で獣医学の学位を取得、その後、2007年、国立アマゾン研究所(National Research Institute of the Amazon INPA)で修士号、2012年に博士号を取得。現在はブラジルのWildlife Conservation Society(WCS)にて、ネグロ川のモンキヨコクビガメの生態研究や、カメの音声コミュニケーションの研究を行っている。
(3)受賞対象研究  「カメの音声コミュニケーションに関する研究」
(4)授賞式及び記念講演会  2019年 7月7日(日曜)
ホテルオークラ神戸にて開催予定です。

神戸市須磨水族園提供。With permission

受賞記念企画 その1:カメづくしのサイエンスカフェ
スマスイではこの9年カメの研究に力を入れてきました。そこで、スマスイファンのみなさんにもっとカメのことを知ってもらいたいと考え、4人の超有名なカメ学者に講演を須磨水族園にてお願いしています。これだけの話が聞けるのは、今回が最初で最後の貴重な機会です。

第53弾 ウミガメはのろまじゃない!:ゆっくりペースには理由があった
東京大学大気海洋研究所 佐藤克文教授  
   【開催日】4月20日(土曜)

第54弾 恐竜は絶滅したけど、カメはこうして生き残った
早稲田大学 平山 廉教授
   【開催日】5月11日(土曜日)

第55弾 動物の世界はあっという間に変化する。 つい最近まで生きていたカメの話
兵庫県立大学  太田 英利教授
   【開催予定日】6月29日(土曜日)

第56弾 アマゾンの自然と鳴くカメ
野生動物保護財団ブラジル  Camila Ferrara博士
   【開催予定日】7月6日(土曜日)

受賞記念企画 その2:企画展「カメは春から夏に鳴く」
スマスイはこの9年間日本のカメ学をリードしてきました。義肢をつけたアカウミガメの悠ちゃん、外来種ミシシッピアカミミガメ問題、ニホンイシガメの保全、神戸空港人工海水池でのウミガメ保護活動など、その活動のすべてを本館3階屋上展望広場水辺のふれあい遊園で紹介します。もちろん主役のカメ達もたくさん登場します。

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