全学共通科目 森里海連環学実習IV・公開臨海実習「沿岸域生態系多様性実習」(20170326-31) その2

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2017年3月26日から31日まで行われた,全学共通科目 森里海連環学実習IV・公開臨海実習「沿岸域生態系多様性実習」の報告その2です.

実習4日目は,河口から海岸域の生物採集と環境測定です.2日目に調査した高瀬川が流れ込む河口で,写真の右奥には海が広がっています.

ご覧のようにこの時間はまだ潮が引いておらず,ほとんど採集はできませんでした.環境測定を終えて,次のフィールドに向かいます.

先ほどの河口の先には写真のような広い磯が広がっていました.ここは対の浦「ついのうら」という場所で,釣り人には人気の場所のようです.写真の2対の島はその名の通り対の島「ついのしま」といいます.

写真だと伝わりづらいかもしれませんが,ここは5mを超える高さの防波堤に囲まれています.満潮時や天候が荒れた時には,どうなっていることやら.

対の島の近くは岩礁が広がっています. この日は良く潮が引いたため,広大なフィールドが広がっていました.

あまりにも広大すぎて,採集の様子が収まり切りません.タイドプールも巨大で無数にあります.

左は手網に喧嘩を売ってきたヒヅメガニ,右は30㎝程もある巨大なマナマコです.多様な生物の採集・観察が期待できそうです.

これは個人的に「肉球タイドプール」と名付けました.自然の造形とはいえステキすぎます.来年も観察してみたい逸品でした.

広いフィールドに実習生が散開しているため,探し出すのが一苦労でした.みなさん順調に,そして無事に採集できていたようです.

対の浦の先端,最も海に近い場所は外洋の影響を受ける環境となっていました.内陸側の岩礁域とはまた違った生物相が観察できました.

帰り際に立ち寄った河口域は,見違えるように潮が引いていました.

足下には何者かの巣穴がたくさんみつかります.次回は時間をずらして,この河口域もしっかりと調査出来たらよいですね.

いつものように,実験所に戻ってからは同定作業が始まります.今回はフィールドが多様で広かったため,採集物も多岐にわたり,しかも大量(大漁?)でした.

4日目ともなると図鑑はお友達です.どんな文献でどの形質を見比べればよいのか,コツをつかんできたようです.

採集に専念したため現地で調査しきれなかった水質検査もしっかり済ませておきました.

机上のサンプルや黒板がこの日の成果です.刺胞動物から脊椎動物まで万遍なく採集・観察ができたようですね.

実習5日目はプランクトンの観察とこれまでの調査結果をまとめた発表会です.まずは久保田先生の講義からスタートしました.

観察対象のプランクトンですが,実は各フィールドで採集していました.左の写真は既にこの記事の冒頭で紹介しましたが,川の中に入っていく者たちが確認できますね.こうしてプランクトンネットを引きながら採集していたのです.

午後からは夕方の発表に向けて班ごとに成果をまとめてもらいました.それぞれのフィールド地点で観察できた生態系の特徴,そして地点間のつながりや違い,その要因などについて議論を進めていきます.

いよいよ発表です!黒板にあるのは対の浦の断面図ですね.あの広大なフィールドをまとめるのは一苦労だったと思います.

発表の内容は(来年も実施するので…)割愛しますが,どの班も短時間にもかかわらず良く練られた考察を披露してくれました.

どうでしょう,今回の実習をすべて総括したかのような堂々とした発表スタイル!内容は…秘密です.

他の班もそれぞれ趣向を凝らした発表をしてくれました.最終的に,実習参加者全員が(パートごとではありますが)発表することになります.良い体験になると思うので,是非次回以降の実習に参加してみては(うっすら宣伝)?

実習の後はお待ちかねの打ち上げです!今回はM1の日馬君が張り切ってコーディネートしてくれました.いつもよりゴージャス!

はじめは比較的おとなしく,静かなスタートでしたが…

最終的にはお酒も入ってテンションもあがってきました!いや,後方ではやや真面目な会話も….打ち上げは朝方まで続いたようです.

翌日は宿舎と実習室の掃除でプログラムはすべて終了です.森里海連環学実習となってから初めての開講でしたが,堪能していただけたでしょうか?6日間お疲れ様でした.

来年度も(いや,もう今年度ですね),内容をより充実させた本実習を開講いたします.興味を持った方は瀬戸臨海実験所のHPを確認の上,是非参加申し込みを!

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