本年度の第8回の神戸賞はProfessor Redouan Bshary (Université de Neuchâtel, スイス)に決まりました。
神戸賞とは:平成23年に神戸市立須磨海浜水族園が、水圏生物学の分野、特に海洋生物を対象に世界的に優れた業績をあげた者を称える賞として設立したもの。
サンゴ礁性魚類の驚くべき認知能力の高さを示した研究で、世界で高く評価されています。
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私たちは、サルやイルカ、イヌといったほ乳類や一部の鳥類を別として、は虫類、両生類ましてや魚類などの“下等な”脊椎動物は「賢くない」と思っています。実際に、現在の高校の教科書ですら、魚類は刺激(や鍵刺激)に反射的に行動し、学習も単純なことしかできないとされています。ところが、ここ十年ほどで魚類の認知や行動が注目を集め、魚の賢さが次々と検証され、これまでの常識をひっくり返すような成果が上がっています。中でも最も顕著な業績をあげている学者の一人が今回の受賞者であるRedouan Bshary博士です。
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若いころから動物の行動観察が大好きだったRedouan Bshary博士は、Ludwig-Maximilians-Universität, Münchenで生態学を学び、その後、Max-Planck-Gesellschaft zur Förderung der Wissenschaften e. V.で修士号と博士号を取得する。University of Liverpoolで講師を務めた後、Université de Neuchâtelに移る。樹上生活する霊長類や飼育下のニワトリの研究に取り組んだ後、1997年から研究フィールドは海の中へと移り、掃除魚として知られるホンソメワケベラを対象に、魚の相互関係と相利共生の研究に取りくむ。その後、研究対象はサンゴ礁海域に生息する魚へと広がり、スキューバダイビングによるフィールドでの行動観察や、室内実験を通して、魚類の認知能力の高さを明らかにしていく。発表された論文数は約150本、そこにはサイエンスやネイチャーも含まれる。現在、ヌーシャテル大学理学部の学部長であり、 Ethological Societyの会長も務める。
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出典
http://www.sumasui.jp/tyousa/cat54/8.html
Special thanks to 神戸市立須磨水族園 for photos!
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©神戸市立須磨水族園 |
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