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瀬戸臨海実験所をフィールドワークの拠点として研究されている京都大学大学院生の山守瑠奈さんが、論文を出版されました。
おめでとうございます!
Morphological and ecological adaptation of limpet-shaped top shells (Gastropoda: Trochidae: Fossarininae) to wave-swept rock reef habitats.
Luna Yamamori , Makoto Kato
PLOS ONE, 13(8):e0197719
https://doi.org/10.1371/journal.pone.0197719
京都大学のホームページに掲載されました。
上記からの引用—————————————————————-
概要
巻貝が環境に合わせて笠型に変形する進化は、長い歴史の中で何度も起こってきました。しかし、「巻き型」と「笠型」の中間にあたる種類がほとんどいないため、巻貝が笠型になった過程は謎に包まれていました。その中で、チビアシヤガイ亜科は巻型から笠型への段階的な種類を含むため、笠型進化の過程を辿れる重要なグループですが、希少種であるため、その生態は今までほとんどわかっていませんでした。
本研究グループは、笠型化した特殊な巻貝の仲間のチビアシヤガイ亜科の国産4種全てを太平洋沿岸で発見し、その生態や形態そして生息環境を詳細に観察することに成功しました。軟体の観察の結果、殻が扁平化する際に、貝殻と軟体を繋ぐ筋肉が劇的に伸長していることがわかりました。また、生息環境を調査したところ、本亜科では波穏やかな環境から荒波打ち付ける環境へ進出したときに、殻が扁平化したことがわかりました。
本研究成果は、長年謎に包まれてきた巻貝の笠型進化の解剖学的な過程を初めて明らかにしたものです。今後は、チビアシヤガイ亜科の遺伝子を詳しく調べるなど、巻貝の「巻き」を作る遺伝子の解明に繋がる研究が期待されます。
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© 写真撮影:山守瑠奈 無断転送引用禁止 |