5日目は畠島での観察と採集でした.畠島は瀬戸臨海実験所が管理している無人島で,全国の大学の研究者および学生による研究調査や磯観察の拠点となっています.(詳しくは
http://www.seto.kyoto-u.ac.jp/smbl/setubi/hatakejima.html)
TAの吉川くん(仮名)は,お昼に自由課題研究に挑戦.タイトルは「夏の日光でレトルトカレーはあたたまるか?」.
いつものように,ラボに戻ったら採集物の同定作業です.図鑑に載っていると良いのですが….
これが畠島での採集の成果です.8つの動物門にわたる65種が同定できました.実際はこれでも少ない方かもしれません.次年度はこの記録を超えられるでしょうか?
6日目は発生学が中心の実習です.6月に当実験所から新潟大に転出された宮崎先生が,臨時担当教員として駆けつけてくださいました.
今回はラッパウニさんに協力してもらいました.叉棘に毒があるため,手袋着用のうえドキドキしながら塩化アセチルコリンを注射していきます.
無事に受精膜があがってきたようですね.発生過程をリアルタイムで観察できる点が,臨海実習の醍醐味です.
その頃4部のみなさんは…ケヤリムシの触手の動きを観察したり,
1部では,ニセクロナマコの生殖巣の観察が始まりました.ナマコは強い刺激を受けると肛門から内臓を吐き出します.吐き出した内臓は再生するので,解剖せずにナマコさんには海に帰っていただきます.
7日目もウニの発生過程観察は続きます.
モニターには1日が経過したラッパウニの幼生が映し出されています.
これは後期原腸胚といったところでしょうか.偏光板を使うと右の写真のように骨片が輝いて見えます(画面の反射で見づらい).
各発生ステージをスケッチして,提出してもらいます.なかなかのボリュームになると思いますよ.
4部の皆さんは午後からの研究発表会に向けてラストスパートです.データも取りつつ,発表用スライドも用意しなくてはならないので大忙しです.
そしていよいよ発表会です.1部の実習生や瀬戸臨海実験所の教員や大学院生も参加しています.まずは「多毛類の口吻の作りと採餌」をテーマにした発表です.
ゴカイの仲間の摂餌行動を動画撮影しながら,口吻の動きと特徴についてまとめていました.
二人目はナマコの創傷治癒と骨片形成についての研究発表です.
当初はナマコの皮膚移植を行い,自己・非自己の認識能について研究する予定でした.が,写真の通りの結果に….しかしここからの実験計画の立て直しが素晴らしかったです.
そして3人目は,ケヤリムシの形態や生態的特徴についての研究です.
鰓冠のサイズや構造,細部の微毛の動きに至るまで詳細な観察結果をまとめていました.
この日は最終日なので,夜は「反省会」です.楽しく実習の反省を!
反省の気持ちをスイカにぶつけましょう!ちょっとやそっとの反省じゃスイカは割れません.
8日間お疲れさまでした!この実習に興味を持たれた方は,瀬戸臨海実験所のHPをご覧ください.(http://www.seto.kyoto-u.ac.jp/smbl/osirase/h29koukai_natsu2.html )