共著論文が出ました

posted by KM

私が代表者を務めるカイヤドリウミグモ科研費チームの論文が一本出版されました。私も共著者として名前を連ねております。
T. Tomiyama, K. Yamada, K. Wakui, M. Tamaoki & K. Miyazaki (2016) Impact of sea spider parasitism on host clams: relationships between burial patterns and parasite loads, somatic condition and survival of host. Hydrobiologia 770 (1): 15-26.
東京湾で発生したカイヤドリウミグモの大量寄生に起因するアサリの斃死に関して、アサリの多くが地上に出た状態で死んでいたという現象に着目し、ウミグモの寄生がアサリの潜砂深度を浅くすると共に栄養状態を悪化させることを、室内実験と現地調査で検証した内容です。

この論文の筆頭著者である冨山毅さんは、東北大の大学院から福島県水産実験場に入り、2009年に松川浦のアサリでカイヤドリウミグモの寄生が確認された時には、現場にある水産実験場相馬支部に勤務されており、そこから私及びカイヤドリウミグモとの縁が出来ました。2011年の大震災の際には、津波により支部の建物が完全に破壊されながらも、奇跡的に助かるという経験をされています。その後2012年に広島大学生物圏科学研究科に准教授として着任され、引き続きカイヤドリウミグモの寄生生態を研究テーマの一つとして続けられています。

カイヤドリチームは、昨年は学会発表を数多くこなしてきましたが、来年度が科研費の最終年度ということもあり、今年はそれぞれの成果の論文出版に注力しています。今後の成果の紹介に乞ご期待下さい。

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