神戸賞(その2)

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平成24年度の神戸賞では、シーラカンスの生態を解明したHans Fricke博士(Professor, Max-Planck-Institut Bremen, Leibniz Institut für Meereswissenschaften Kiel)が受賞者として選ばれました。

Hans Fricke博士 ©神戸市立須磨海浜水族園

1941年 シェーネベック生まれ
1968年 ベルリン自由大学 大学院修了(指導教官は、「すりこみ」で知られる動物行動学の創始者・ノーベル賞受賞者のLorenz博士)
1969年~ マダガスカル、コモロ、紅海、琉球列島など世界中の海をフィールドに研究を展開
1978年 ミュンヘン大学にて教授資格取得
1987年 コモロ諸島沿岸にて持ち込んだ潜水艇で生きたシーラカンスを発見.。以後、約21年間にわたり調査を継続

化石種の形体を色濃く残し「生きた化石」とも呼ばれるシーラカンスは、発見以降、標本を対象にした解剖学的研究こそ行われてきましたが、その生態は謎に包まれたままでした。これに対し、受賞者のHans Fricke博士は、自ら開発した潜水艇を用いて、生きたシーラカンスを直接観察や撮影することに世界ではじめて成功しました。その後も約21年間におよぶ調査の中で、独特の遊泳行動や、本種の寿命が100歳を超えることなど、映像とともに興味深い生態を次々と明らかにしてきました。いずれの成果も、脊椎動物の進化の過程を探るうえで重要な手がかりを与えるもので、学術的にも優れた価値が認められました。

©神戸市立須磨海浜水族園

授賞式および記念講演会は、平成23年5月27日にホテルオークラ神戸にて開催され、200人におよぶ参加者が集まりました。Fricke博士は、約1時間半にわたりシーラカンスの生態や研究にまつわるエピソードを紹介しました。

この日のために、わざわざシーラカンス型のトロフィーがつくられました。
亀崎館長よりトロフィーをわたされるFricke博士
Fricke博士の講演のようす
講演を熱心に聞き入る人々
講演会参加者全員で記念撮影 ©神戸市立須磨海浜水族園
懇親会の様子
謝辞
このページを書くにあたって、写真の使用許可および一部文章の引用をご許可いただいた神戸市立須磨海浜水族園と亀崎直樹館長に御礼申し上げます。
引用元:http://sumasui.jp/tyousa/cat54/2-1.html
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