5月7日から10日にかけ、「うみさわ会」が瀬戸臨海実験所を舞台に開かれました。
(1)「うみさわ会」とは?
若手の海洋生物研究者がある場所に集い、そこで採集をしながら、研究手法に関するディスカッションなどをざっくばらんに行う集まりです(だそうです)。有志によって立ち上がってまだ間もない会で、今年1月に沖縄の大浦湾で開かれた第1回に続き、今回が第2回となります。
ひらがな表記が正式名称ですが、漢字にしてふさわしいのはという話になり、「海騒会」?「海触会」?「海茶話会」?といった意見が出ました。立ち上げメンバーの一人は「海爽会」でしょうと言っていましたが、顔ぶれを見ると若干「爽」やかさに欠けるような…?
(2)今回の概要
今回は実験所の「ヤンチナ」を使ったドレッジ採集を7日,8日の二日間で行いました。田辺湾内で2地点、湾外の紀伊水道外域で3地点曳き、一番深いところは富田海底谷の縁にあたる水深約300 mでした。ドレッジから戻ったら、採取した底質をそれぞれの目的に応じた方法で処理し、夕食まではひたすらソーティングします。
夕食後、作業が一段落したら、宿泊棟にて各人の研究紹介です。ちなみに今回の参加者は下記の通り。所属やカッコ内の主な研究対象群を見てわかるように、多様性は非常に高いです。
広瀬雅人 東京大学大気海洋研究所 特任助教(コケムシ類)
田中隼人 広島大学生物圏科学研究科 学振PD(貝形虫類)
太田悠造 滋賀県立琵琶湖博物館 特別研究員(ウミクワガタ類)
角井敬知 北海道大学理学研究院 研究員(タナイス類)
山崎博史 琉球大学理学部 ポスドク研究員(トゲカワムシ類)
吉田隆太 琉球大学理工学研究科 博士研究員(フクロムシ類)
藤本心太 京都大学理学研究科 D2(クマムシ類・コウラムシ類)
安岡法子 奈良女子大学人間文化研究科 M2(カキ類・カクレガニ類)
泉貴人 東京大学理学系研究科 M1(イソギンチャク類)
杉本雄祐 大阪市立大学理学部 B4(サンゴ類)
竹本亨世 大阪市立大学理学部 B4(サンゴ類)
久一沙彩 大阪市立大学理学部 B4(サンゴ類)
千徳明日香 瀬戸臨海実験所 学振PD(サンゴ類)
岡西政典 瀬戸臨海実験所研究員(テヅルモヅル類)
中山凌 瀬戸臨海実験所 M2(カサガイ類)
中町健 瀬戸臨海実験所 M1(コツブムシ類)
+受け入れ教員を中野先生(カサガイ類)と私(ウミグモ類)が担当。
それでは次からは、今回の詳細を何人かで紹介していきます。(のはずです)
採取した底質を処理しています。基本全て篩にかけるのですが、対象生物や底質の種類によって、篩の目の大きさや前処理・後処理の方法が異なります。
今回私は船に同乗できなかったので、船上作業の様子については、このあと誰かが紹介してくれるでしょう。
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夜の部=研究紹介の一場面。お酒も入り和気藹々とした雰囲気ですが、時たま鋭い質問(ツッコミ?)が入ります。
皆さん様々な写真や動画や原図をさりげなくスライドに入れて紹介していますが、その一枚を撮ったり描いたりするまでの苦労は並大抵ではありません。皆さん若手だけに、それが生々しく伝わってきます。
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