祝! 和田葉子さん 論文出版!

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瀬戸臨海実験所を拠点としてフィールドワークを続けてこられた和田葉子さん(奈良女子大学)が、このたびsupervisorの遊佐陽一先生(奈良女子大学)、岩崎敬二先生(奈良大学)と共著で、論文を発表されました。おめでとうございます。
Changes in Algal Community Structure via Density- and Trait-mediated Indirect Interactions in a Marine Ecosystem. Ecology http://dx.doi.org/10.1890/12-0725.1
Yoko Wada, Keiji Iwasaki, and Yoichi Yusa



本研究では、瀬戸臨海実験所近くの岩礁潮間帯に点在する大型の転石、数十個を実験区とし、その場に存在する生態系を用いて、捕食者である肉食性巻貝のイボニシが、草食性のカサガイであるキクノハナガイを介して、2種類の藻類に与える間接効果について調べています。キクノハナガイは家痕を持ち、その周りには藍藻が生えているのですが、捕食者が駆動する間接効果により、この藍藻は緑藻に覆いつくいされ、最終的には死滅してしまうことが分かりました。本研究は、間接効果によって藻類相が変化することを野外で初めて明らかにしたものであると言えます。
このEcologyというjournalは、 Ecological Society of Americaが出版しているものでreject率が80%近いという超難関journalです。

和田さん、あっぱれ! 将来が楽しみですね。

追記
ちなみに、このEcologyに日本人の海洋生物研究者で初めて論文が掲載されたのは、今から20年近く前のこと、現在の瀬戸臨海実験所の朝倉所長による下記の大作論文です(と、さりげなくこれみよがしに宣伝が入ります)

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