実習室書架の本がアップグレードしました

posted by marikok
[実習室書架]

瀬戸臨海実験所の実習室書架には、毎年200人以上の学生に利用される図鑑や教科書がおさめられています。 今年度は教育共同利用拠点として、45冊の新規購入と38冊の修理製本を行いました。これらの本の中には、所員によって執筆されたものもあります。

新規購入といっても、絶版重版未定の図鑑は往々にして存在します。その場合、オンラインの古書店などを巡回して探します。今回勉強になったのは、本を特定するためのISBNコードは、版数が違うと異なる番号が充てられるのですが、刷数が違っても同じ番号ということです。新しい刷数の図鑑は学名などの訂正が結構なされていたりするので、刷数を指定して購入したい場合もあります。親切な書店では、出品された図鑑の刷数または出版年を記載してあるので安心です。未記載の場合でも、ほとんどの書店が丁寧に回答してくださいました。

[おなじみの図鑑「水の生物」。
左が修理製本前、右が修理製本後]
[見返しの紙もはり直してくれました]

修理製本は、既存の図鑑が消耗してきて、ページが外れてきた場合に行います。表紙もはり替えてもらうので、擦れや汚れがなくなります。写真の「水の生物」の場合は、もともとの本に比べて表紙がかなり地味になりましたが、耐久性と手触りがアップしています。通常、見返しの紙は新しい白紙にはり替えられることが多いのですが、この図鑑の見返しにはもともと潮だまりの生き物が描かれていたため、製本会社でわざわざそれをきれいにはがして、はり直してくださいました。職人の技ですね。

[図鑑を使った生物の同定]

絶版本の中には、古書店にすら無いものもあり、あったとしても高額なプレミア価格が付いていることがありますので、修理しながら長く使っていくことが必要です。最近はさまざまな電子書籍がオンラインで読めたりしますが、このような本は非常に限られた情報資源といえるでしょう。

実習生の皆さん、これからも図鑑をどんどん(大切に)使いましょう!

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