Posted by TPS
年が明けてしまいましたが,まだ年度内…。今年(度)の実習の様子をお伝えします.
これからの実習に参加される方々の参考になれば幸いです.
8月22日~27日にかけて,大阪大学の生物学臨海実習がおこなわれました!
本実習のメニューは,プランクトンの観察,磯の生物観察・採集と同定,ウニの発生実験・解剖,生理学・発生学実験とその研究発表などです.
まずは久保田先生による水族館ツアーです.このパネルの前で,動物の「門」について解説してもらいました.
ほぼすべての「門」に海産の動物が含まれていますし,半数の「門」は海産の動物のみで構成されています.海の多様性の高さがよくわかりますね.
本来は畠島で磯観察をしたかったのですが,残念ながら天候が悪く船が出せませんでした.かわりに実験所近くの北浜から洞門にかけての観察ツアーとなりました.
しかし,この時間帯はまだ潮が引いておらず,かろうじて歩ける場所を一列になっての観察となりました.
タイドプールも観察にはあまり適した状況ではありませんでしたが,これも磯特有の環境を観察できる貴重な体験となりました.
阪大は夜の実習も充実しています.この日はプランクトンの観察とスケッチを行いました.
動物プランクトン4種(成体2種,幼生2種)と植物プランクトン2種がスケッチのノルマです.真剣そのものですね.
2日目はウニの発生実験です.TAによるデモンストレーションにくぎ付けになっています.
そしていよいよみんなで実践です.今回はツマジロナガウニさんに協力してもらいました.
古屋先生の講義にもあったように,ウニの卵はゼリー層につつまれています.薄めた墨汁を流して観察するとこの通り.
精子はこのゼリー層に触れると先体反応を誘起されるのです.詳しくは実習に参加してみてくださいね.
この日の夜の部は,ウニの解剖です.見てください,古屋先生のすばらしいウニの図を!
ムラサキウニさんに感謝しつつ,解剖・スケッチを進めます.夜はまだこれから….
ウニのことが好きすぎて(?),解剖じゃなくて解体をしてしまう気持ちは少しだけわかります.少しだけ.
ウニをつぶさない程度に上からおさえつつ,ヤスリで赤道面を削ると早くキレイに割れるそうです.
この「阪大メソッド」を次回の実習では生かしてみます.
3日目の実習からは生理学・発生学実験が始まりました.
フナムシの歩行パターン,ウニの受精とpHの関係,巻き貝の出殻反応の3種類からテーマを選び,班ごとに研究を進めます.翌日の午後からは,その研究成果の発表会もあります.
フナムシ班は磯にフナムシ狩りに…
巻き貝班は様々な水溶液に巻き貝を浸して反応を観察します.
こちらはなんと魅惑の八叉路を作成しました.複数のフナムシさんが迷路をさまよっていますね.
午後からは研究内容の発表です.こちらは出殻反応の発表です.溶液の希釈・混合も含めてかなり緻密な実験を行っていました.
こちらはウニ受精チーム.pHによる影響を精子の運動やゼリー層の変化に注目して考察していました.
フナムシチームです.この班ではフナムシにカフェインやアルコールを与えてその影響を観察していました.発想がユニーク!
そして魅惑の八叉路はみんなの注目を浴びていました.