海産無脊椎動物分子系統学実習⑨

サンプル収集の次は座学です!
今回ベントス関係のアドバイザーとして来られていた山室教授にお話してもらいました.
「ラグーンから考える生態系の保全」
山室先生は地学出身で保全生態関連のお仕事に携わっておられます.
様々な手法を用いて多角的に水域環境動態を研究されています.
いつまでも新しい手法を学んでいく姿勢がとても素敵ですね.
ご自身の発表にそれがよく表れており,
かくあるべきと身が引き締まる思いでした.
刺激になります.
宮崎先生の「カイヤドリウミグモの分類をめぐるいくつかの謎」
今回の実習の対象の一つ,カイヤドリウミグモについてのお話です.
ウミグモ担当の実習生は絶対に逃せません.
久保田先生による「不死のベニクラゲと早死のカイヤドリヒドラクラゲの分子系統形態の関連」
スライドは使わず,プリントを見ながらのお話です.
太平洋に広く分布するベニクラゲの仲間の分子系統解析の結果,
隠蔽種の存在が示唆されているそうです.
大和先生の「ヨコエビ類とフジツボ類における種」
大和先生は,ヨコエビやフジツボを研究対象として,
「種」の問題に関する考察を行っておられます.
今日までずっと議論が続いている非常に難解な問題について,
分類の問題を絡めつつ,綺麗にまとめてくださいました.
今回の実習では分子系統樹から種の分類を考察してもらいますが,
実はそれは分子系統樹一本だけから簡単に導けるものではありません.
「種とは何か?」という大命題に関するお話は,
私自身にとっても勉強になりました.
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