公開臨海実習「自由課題実習」(+京都大学臨海実習第一部+第四部)③

真夏の実習まだまだ続きます! 
瀬戸臨海が誇る高速型多機能調査船「ヤンチナ」の係留港にやってまいりました. 
設備の説明中.黄緑の鉄枠は「Aフレーム」と呼ばれ,
ドレッジなどの重量物を船上に引き上げるのに大変役にたちます. 
何度もこれにお世話になっております. 
台風避難のために湾に多数の船が入り込んでヤンチナが出港不可につき,
本来予定していた畠島渡航は断念と相成りました. 
しかしそこは百戦錬磨のSMBLスタッフです!
係留物に付着する生物観察という代案を繰り出しました! 
船を係留しているロープなどには,驚くほど多数の生物が付着します. 
ちなみに,これは以前紹介した筑波大学の中野先生が,
平板動物を採集するためのガラス板を入れておいた買い物かごを沈めておいたものです.
海中に入れて1年はんほど経っていますが,買い物かごの形跡は微塵もみられませんね. 
ほとんどが海藻,コケムシ,ヒドロ虫,ホヤなどで,ゴカイの棲管なども
この光景の形成に一役買っています. 
タイヤやロープなど,様々な係留物から生き物を採集してもらいました. 
採集物の解説中.磯観察ではどうしても動くものばかりに目が行ってしまうのですが,
固着物の観察もなかなかどうして面白いものです. 
コケムシの群体をモニターに映し出しました. 
採集当初は虫室に引っ込んでしまっていたのですが,
しばらくするとほとんどの個虫が元気に顔(触手)を出してくれました. 
たくさん採れたシロボヤを解剖してみました. 
はじめは何がなんだかわからなかったのですが,
複数の個体を捌いているうちにだんだんと構造が分かってきました. 
体内の鰓の構造,胃の位置,さらには口と肛門と,入水孔と出水孔の位置関係など,
大変興味深く勉強させてもらいました. 
観察の合間に水族館を解説.
白浜水族館の誇る無脊椎動物ラインナップをとくとご覧あれ. 
付着生物実習のまとめです.前日に引き続き,様々な生き物が採れました. 
「動かない」という動物らしからぬ生活を行いながら,食う,寝る,子孫を残す,などの生活の必須要素を
どのように達成しているのかを考える,良い機会になったのではないでしょうか. 
続く.
上部へスクロール