第68回瀬戸海洋生物学セミナー(オンライン)

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両側回遊生物による河川生態系への海洋由来資源輸送における種多様性効果の検証

田中 良輔 大学院生(京都大学 理学研究科)
2022年8月31日(水)16:00~17:30

調査地で見られる多様な両側回遊生物

移住する動物は自身の体を餌や物質として生態系間を移動することで、受け手生態系への資源輸送として機能し、その輸送量や輸送期間の長さは受け手生態系に影響を及ぼす。移住する動物の種多様性が高いと、資源輸送量の増大や輸送期間の長期化が起こる可能性があり、これは生態系間資源輸送における種多様性効果である。しかし、生態系間資源輸送機能における種多様性効果の仕組みや、種多様性が駆動する資源輸送に対する受け手捕食者の反応は明らかではない。

本発表では、生態系間資源輸送に対する種多様性効果の検証を目的として、1)海から川に遡上する多様な両側回遊生物の種多様性と海洋由来資源輸送機能の関係、2)河川の捕食者に対する海洋由来資源の貢献度を評価するために、これまで発表者が進めてきた研究及びこれからの計画について紹介する。

Tanaka R, Hirashima K, Kunishima T, Uno H, Sato T (2020) Phenological diversity of freshwater migration can prolong assemblage-level migration period in amphidromous fishes in a temperate river system in Japan. Ecological Research 35, 494–503.

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後藤 龍太郎 goto.ryutaro.8n(at)kyoto-u.ac.jp((at)を@に変えて送信)

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