第67回瀬戸海洋生物学セミナー(ハイブリッド)

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ナマコ類における生物発光の多様性

別所-上原 学 特任助教(名古屋大学高等研究院 理学研究科)
2022年7月26日(火)10:30~12:00

発光種のセンジュナマコ

生物発光は、海洋環境において普遍的に見つかっており、とくに200 mより深い深海域の底生性マクロ生物の30-50%(個体数比)は発光種と考えられている。棘皮動物門ナマコ綱はおよそ1700種を含む底生生物からなる動物群であるが、浅海性のナマコからは発光種は報告されていない。一方で、深海からはこれまでに32種の発光種が見つかっており、海域・水深によってはマクロ生物のうち発光性ナマコが最大94%を占める。しかしながら、ナマコ類の発光形質に着目された研究はほとんどない。そのため、ナマコ類における生物発光の進化に関する研究はこれまでになかった。本発表では、深海調査から新たに見つかった発光種を報告し、ナマコ類全体における発光種を整理した。さらに、分子系統解析によりナマコ類において、発光形質が独立に5回以上獲得されたことを報告する。

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後藤 龍太郎 goto.ryutaro.8n(at)kyoto-u.ac.jp((at)を@に変えて送信)

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