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深海に潜むヒモムシの多様性と適応進化
波々伯部 夏美 大学院生(東京大学 大学院理学系研究科)
2022年2月24日(木)16:00~17:30
「ヒモムシ」というとその名の通りひょろひょろとした紐状の体をもつ、底生自由生活生の生き物を思い浮かべる方が多いかもしれない。本セミナーでは、一様にひょろ長い形だけではないヒモムシの多様性や進化に関して、深海性種に焦点を当てて紹介する。深海には、共生/寄生に特化したグループや魚の尾鰭のような形質をもつ遊泳性の種など形態や生態が独自に進化した種が多く存在し、餌資源が限られた深海環境において肉食性小型ベントスがどのように適応したのか進化の一端を垣間見ることができる。
紐形動物は世界から1300種が知られており(Kajihara, 2017)、今なお未記載種の発見が相次いでいる(Hookabe et al., 2020等)。演者らによるドレッジやROVの調査で数多くの未記載種の存在が明らかになりつつあるNipponnemertes属(単針類)の最新の研究成果と併せて深海生ヒモムシの多様性について紹介する。
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後藤 龍太郎 goto.ryutaro.8n(at)kyoto-u.ac.jp((at)を@に変えて送信)