第50回瀬戸海洋生物学セミナー(オンライン)

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タナイスの多様性-特に糸や粘液を用いた棲管形成機構について

角井 敬知 講師(北海道大学大学院 理学研究院)
2021年2月16日(火)13:30~14:30

タナイス目は主に体長数ミリ程度の海産底生種からなる水生甲殻類の一群である。4上科34科約1500種がこれまでに報告されている。タナイスには糸や粘液を分泌して海底中などに棲管を形成する種(糸・粘液利用者)が存在する。棲管は隠れ家や生殖の場として機能するだけでなく、効率的な摂餌にも関係していると考えられている。生存上有利と考えられる糸・粘液利用者は多様化を遂げており、全既知種の過半数を占めるとされている。このことから、タナイスの多様化において糸・粘液分泌能力の獲得は重要なイベントであったと考えられるが、近年まで糸・粘液分泌機構の詳細な形態すら明らかになっていない状況にあった。本セミナーでは、演者らがこれまでに飼育観察や形態観察を通して明らかにしてきた、タナイスの糸や粘液を用いた棲管形成機構の多様性について紹介する。

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後藤 龍太郎 goto.ryutaro.8n(at)kyoto-u.ac.jp((at)を@に変えて送信

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