第48回瀬戸海洋生物学セミナー

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節足動物の自然景観内の移動が異所群集をつなぐ

宇野 裕美 特定准教授(京都大学 生態学研究センター)
2017年6月16日(金)14:00~15:00

自然環境は多様で変化に富み、生物は様々な景観の中を移動し利用している。それらの生物の景観内の移動は空間的に離れた群集を結び付けている。なかでも一時消費者として生態系内で大きな生物量を占める節足動物の移動はその餌資源や捕食者に大きな影響を及ぼしうる。私はこれまで、河川の水生昆虫の景観内の移動(川から渓畔林へ、また河川本流から支流へ)を詳細に調べ、さらにその動態が河川渓畔林食物網にいかに影響を及ぼしているかについて研究してきた。
さらに、今後は海から遡上してくる両側回遊性甲殻類の河川生態系への影響についても研究していきたいと考えている。本セミナーでは私がこれまで行ってきた水生昆虫による川と森のつながりに関する研究と、さらに今後展開を考えている甲殻類による海と川のつながりに関する研究、さらにそのふたつの連関についてもお話ししたい。

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