公開臨海実習「海産無脊椎動物分子系統学実習」

目次

概要

開講期間

令和6年2月24日(土)15時集合~3月2日(土)正午までに解散(8日間)

開講場所

京都大学フィールド科学教育研究センター瀬戸臨海実験所 研究棟1階 共同利用実習室

対象学年

学部学生(院生も可)

担当教員

朝倉 彰(教授)・下村 通誉(准教授)・中野 智之(准教授)・後藤 龍太郎(助教)・山守 瑠奈(助教)

単位数

2単位相当(授業単位の認定はできませんが、代わりに授業の受講証を発行します)

費用

交通費の他、滞在費(宿泊費・食費など実費)が約21,000円かかります。

持参するもの

【必要なもの】
筆記用具一式(野帳、スケッチ用の鉛筆、レポート用紙など)、ノートパソコン(4台まで実験所で貸出可能)、汚れてよい長袖長ズボン、帽子、タオル(野外実習で使用)、カッパ、防寒具

【あるとよいもの】
長靴(実験所で貸出可能、足のサイズが合っていて滑りにくいものがあれば持参)、懐中電灯(3つまで貸出可能)

*洗濯機3台を利用可能。その他の生活用品は宿泊棟のページを参照のこと。

定員数

12名程度(定員を超えた場合、所属が重ならないよう配慮した上、抽選となります)

主な内容

海産無脊椎動物に焦点をおき、海岸での標本採集から分子系統樹の作成、それらの結果に基づく研究発表まで、分子系統学的手法を一通り学ぶことを目的とします。

テーマの設定

分類が未解明で種の同定が困難な分類群(例えば識別形態が重複するグループ、形態からは区別できないが生態の異なるグループ、成体と幼体とで形態が異なるグループなど)に着目した複数のテーマから、興味のあるテーマを選びます。
下記の手順で分子系統解析を実行し、選んだ分類群の実際の形態と系統の比較や、進化の過程などを推定します。

よく似たナガウニ類の複数種

生物採集と標本作製

実験所周辺の海岸で標本となる軟体動物のオオヘビガイ類、節足動物のイソガニ類・エビヤドリムシ類、棘皮動物のナガウニ類、幼生プランクトンなどを採集します。
採集した標本は実習室に持ち帰って個体別に形態を記録し、分子系統解析に適したエタノール標本にします。写真撮影、ラベルの記入、固定前処理など、標本作製を学びます。

番所崎での生物採集

DNA抽出と増幅・塩基配列の決定

エタノール標本組織から、薬品処理によって細胞内のDNAを抽出します。このDNA中の特定の領域(ミトコンドリアCOIなど)をPCR法により増幅します。目的とするDNA領域の増幅をアガロースゲル電気泳動により確認し、余分な塩基を取り除いて精製します。その後、蛍光標識された塩基を加えてキャピラリー電気泳動での検出を可能にし、シークエンサーでDNAの塩基配列を決定します(サイクルシーケンス法)。

DNA増幅確認のための電気泳動

系統樹の作成と考察・結果発表

標本および近縁種の塩基配列データのアライメントを行い、各分類群の系統樹を作成します。関係する分類群の塩基配列データは、オンラインデータベースに登録されたものをダウンロードします。推定された系統関係から、各系統と形態・生態の違いを考慮し、形態からの同定が難しい種の推定や、種の境界線および隠蔽種の認識を試みます。最後に、考察結果をまとめて発表します。

作成された系統樹の一例

受講のお申込み

申込締切

令和6年1月19日(金)

申込方法

オンラインまたは郵送でお申込みください。

郵送でお申込の場合は、必要事項を記入した①受講願、②学生教育研究災害傷害保険加入証明、③学研災付帯賠償保険または学生賠償責任保険加入証明書(領収書等のコピー)を準備していただき、自大学の教務担当を通じて下記の宛先にご提出ください。

〒649-2211 和歌山県西牟婁郡白浜町459 瀬戸臨海実験所 公開臨海実習担当
(封筒に赤字で「公開臨海実習受講願在中」と表書きをお願いします)

いずれの方法についても、2月中旬頃までに、受講生・指導教員に電子メールで受講可否に関するご連絡を行い、その後教務担当宛に許可書を郵送いたします。

*オンライン申込の場合でも、学生教育研究災害傷害保険および、学研災付帯賠償保険もしくは学生賠償責任保険の加入証明を別途ご提出いただきます。

問合せ窓口

山守 瑠奈(実習担当)
E-mail: yamamori.luna.7m(at)kyoto-u.ac.jp((at)を@に変えて送信)
Tel: 0739-42-3515(平日9:00~17:00)
Fax: 0739-42-4518

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