雌雄同体動物の最適な性配分はどう決まる?
海辺のフジツボでの検証
為近 昌美 さん(北海道大学水産科学院・博士後期課程2年)
開催日時:2025年4月23日(水)16:00~17:30、Zoom開催
私たちが海辺でよく目にするフジツボ類のほとんどは、1個体がオスとメスの両方の繁殖能力を持つ「同時的雌雄同体」です。同時的雌雄同体の動物は、繁殖のために卵巣と精巣の両方に資源を配分し、卵と精子を作って子を残します。そのため、この資源の配分比率(=性配分)は非常に重要です。フジツボをはじめとする雌雄同体の動物は、さまざまな要因に応じて性配分を可塑的に変化させることが知られています。しかし、意外にも寄生や捕食といった種間関係が性配分に及ぼす影響については、わかっていませんでした。本セミナーでは、フジツボ類が寄生に対しても性配分を変化させることを初めて明らかにした研究成果をご紹介します。

参考文献:Tamechika, M. M., Yamada, H., Ijiri, S., & Yusa, Y. (2025). The effects of parasitism on sex allocation of a hermaphroditic acorn barnacle. Journal of Evolutionary Biology, voaf007.
後藤 龍太郎 goto.ryutaro.8n(at)kyoto-u.ac.jp((at)を@に変えて送信)