第92回瀬戸海洋生物学セミナー(2/20 16:00, zoom)

環境DNAから推しはかる、魚類の種・集団レベルの多様性

八柳 哲 博士(京都大学フィールド科学教育研究センター・特任助教)
開催日時:2025年2月20日(木)16:00~17:30、Zoom開催

水面下にどのような種が生息していて、彼らがどのような遺伝的特徴を有するかを調べるためには、従来は個体を多数捕獲することが必須であった。そこで生じる時間的・労力的コストを省力化できる野外調査法として台頭してきているのが環境DNA手法である。水を汲んでその中に含まれるDNAを調べることで種分布を捕捉する手法として広く活用されてきたが、近年は種内の遺伝的多様性を推定する目的でも応用が進み始めている。本セミナーでは、私がこれまでに河川や沿岸域で進めてきた魚類の種レベル・集団レベルでの多様性に関する研究を紹介し、環境DNA手法をより有効に生物多様性の理解に活用するための今後の展開について議論したい。

参考文献:Yatsuyanagi T, Kanbe T, Fujii K, Inoue S, Araki H (2024) Environmental DNA unveils deep phylogeographic structure of a freshwater fish. Molecular Ecology, 33, e17337.

後藤 龍太郎 goto.ryutaro.8n(at)kyoto-u.ac.jp((at)を@に変えて送信)

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