第59回 瀬戸海洋生物学セミナー

「魚類の新規環境への進出と生態形質の進化」
柿岡 諒 ポスドク研究員(琉球大学熱帯生物圏研究センター)

2021年11月30日(火)16:00〜17:30
*本セミナーはオンライン形式です。参加のお申込は、下記フォームよりお願いします。
参加申込フォーム(11月29日正午締切)

魚類は形態・行動・生理をはじめとして多様な表現型を示す。それら表現型の多様化には、環境への適応が大きく寄与すると考えられている。新たな環境に進出した魚類は、祖先とは異なる淘汰を受けることにより、しばしば環境適応による進化をとげる。また,異なる環境に生息する種が二次的に接触して交雑する場合にも、遺伝子浸透は淘汰の影響を受ける。そのため、異なる環境に生息し表現型を異にする種・集団の歴史や表現型の遺伝基盤を知ることは、魚類の表現型多様化のしくみを明らかにする上で重要であると考えられる。本セミナーでは、演者らがこれまでにトゲウオやハゼ類などの魚類で行ってきた生態適応に関わる分子系統・集団遺伝解析などの結果について紹介する。

[図.A:体表にむき出しになった感覚器官が並ぶ一方で頭部感覚孔は持たない淡水性ジュズカケハゼ;B:3対の感覚孔(白い楕円)から体内に伸びる頭部感覚管の中に感覚器官がかくれている汽水性ビリンゴ;C,D:感覚孔が変形していたり(ピンクの楕円)感覚器官が感覚孔からのぞいて見える雑種.]

  • 関連文献
  • Kakioka, R., Mori, S., Kokita, T., Hosoki, T. K., Nagano, A. J., Ishikawa, A., Kume, M., Toyoda, A., & Kitano, J. (2020). Multiple waves of freshwater colonization of the three-spined stickleback in the Japanese Archipelago. BMC Evolutionary Biology, 20, 143.
  • Kakioka, R., Kume, M., Ishikawa, A., Ansai, S., Hosoki, T. K., Yamasaki, Y. Y., Nagano, A. J., Toyoda, A., & Kitano, J. (2021). Genetic basis for variation in the number of cephalic pores in a hybrid zone between closely related species of goby, Gymnogobius breunigii and Gymnogobius castaneus. Biological Journal of the Linnean Society, 133, 143-154.
  • Kakioka, R., Sutra, N., Kobayashi, H., Ansai, S., Masengi, K. W. A., Nagano, A. J., Okuda, N., Tanaka, R., Sato, M., & Yamahira, K. (2021). Resource partitioning is not coupled with assortative mating in sympatrically divergent ricefish in a Wallacean ancient lake. Journal of Evolutionary Biology, 34, 1133-1143.

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後藤 龍太郎 goto.ryutaro.8n(at)kyoto-u.ac.jp((at)を@に変えて送信)