第37回 瀬戸海洋生物学セミナー

「サンゴ礁生態系の過去・現在・未来:過去1万年間の地質記録に残された造礁サンゴに注目して」
本郷 宙軌 特別研究員(琉球大学 理学部 物質地球科学科)

2014年3月25日(火)20:00〜21:00

現在、サンゴ礁生態系が地球環境変動と人間活動の影響を受け衰退していると報告されている。そのため、この生態系の将来予測が緊急かつ重要な国際課題となっている。確かな将来予測をおこなうためには、@人間活動が活発化する以前のサンゴ礁生態系の復元と、A地球環境変動と人間活動の影響が足し合わさった現在のサンゴ礁生態系の観察の2点が必要である。Aについては過去数十年間の生物学的・生態学的研究成果があるが、@についての地質学的研究はまだ不足している。

本セミナーの前半では、過去1万年間を対象にし地質試料(掘削コアと露頭)から産出する造礁サンゴに注目し過去のサンゴ礁生態系の復元結果を紹介する。とくに、サンゴ礁生態系の形成に重要な役割を果たすサンゴがいる可能性について紹介する。セミナー後半では、それらのサンゴが現在の地球環境変動(例えば、水温上昇や台風など)と人間活動(例えば、赤土流出)の影響を受けて減少していることを紹介する。最後にこれらの結果を基にしたサンゴ礁生態系の将来シナリオを紹介する。