第33回 瀬戸海洋生物学セミナー

「海産“蠕虫類”の系統分類学」
柁原 宏 准教授(北海道大学理学研究科)

2013年3月6日(水)13:00〜15:00

蠕虫類はカール・フォン・リンネが『自然の体系』で設立した、節足動物以外の全ての無脊椎動物が押し込められていた「ゴミ箱分類群」であり、1801年にジャン=バティスト・ラマルクによって解体されて以降、今日ではもはや正式な分類群とは見なされていない雑多な寄せ集めである。しかしながら、“蠕虫”的な無脊椎動物には、後生動物全体の進化と多様性を考える上で極めて興味深い分類群が多数存在する。

このセミナーではまず、2011年に設立された珍無腸動物門や、前世紀の終わりごろに発見された微顎動物その他の新高次分類群を概観し、後生動物の高次系統に関する最近のトピックスを紹介する。セミナーの後半では演者による最近の研究から二つの話題を提供する。1点目は北海道石狩湾の海浜地下水間隙環境から発見された、新動物門となる可能性を秘めた原子環虫類について、2点目として演者の狭い意味での専門である紐形動物、特に門内の形質進化を考える上で重要な分類群である古紐虫類に関する最近の研究成果を紹介する。