第18回 瀬戸海洋生物学セミナー

「造礁サンゴ(イシサンゴ目)の分子系統分類と進化」
深見 裕伸 助手(京都大学瀬戸臨海実験所)

2005年4月6日(水)13:30〜14:30

主要な造礁サンゴ(イシサンゴ目)16科120種の分子系統解析を行った。その結果、遺伝的系統関係と形態分類の間に、非常に大きな隔たりが見られた。科レベルから種レベルに至るまで形態収斂が起こったと思われる。特に、大西洋のサンゴでその傾向が顕著であった。今後、形態分類を大幅に見直す必要がある。また、イシサンゴが約2億3千万年前に出現した後、すぐに異なる2系統に分岐したことも示された。

次に、イシサンゴ目に加え、六放サンゴ亜綱の他の3目についても分子系統解析を行ったところ、骨格を全く持たないホネナシサンゴ目が、イシサンゴ内の2系統のうちの1系統と遺伝的に非常に近縁であることが分かった。ホネナシサンゴはイシサンゴの骨格獲得の過程を調べる上で、重要な位置を占めているかもしれない。